丸岡人インタビュー

INTERVIEW 07

丸岡城の価値を高めることが
町の価値も高めることにつながる。

ボランティアガイド創設メンバーであり、市民の会の前身である城の会の代表も務めた四戸さん。丸岡生まれかと思いきや東京都立川市出身で、田舎暮らしに憧れて福井へと移住したIターン者です。「よそ者・馬鹿者・若者」として丸岡に根を下ろし約40年、四戸さんの目に丸岡はどう映るのでしょうか。

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丸岡城天守を国宝にする市民の会 理事
四戸 友也さん(70歳)

活動内容について
難病を乗り越えて活動に参加。
ガイド復帰がいまの目標です。

「ようこそ」と扉を開け、一歩一歩を踏みしめながら部屋へと案内してくれた四戸さん。お元気そうな姿からは想像がつきませんが、つい数ヶ月前までは歩くこともままならない状態だったそうです。難病を患い頸椎の手術をしたのが2016年の春。その後7ヵ月の入院生活を送り、2年前に退院した後も車イス生活を送っていました。

「市民の会の会議にも車イスで参加しました。声が出ない状態でも皆が受け入れてくれて励まされましたね」

もともと向学心旺盛で歴史が好き。新聞社に務めていたころから様々な活動に参加してきました。その一つである丸岡五徳会がきっかけとなり、地域に関わるようになったそうです。定年退職後は大学で教鞭をふるう傍ら、丸岡観光ボランティアガイド協会の創設に携りました。

「全国の名城のほとんどにボランティアガイドがいるのに、丸岡城にはなかった。そのため、会社を辞める前からガイドの立ち上げを考えていました」

仲間と共にボランティアガイド協会を立ち上げ、四戸さんもガイドとして丸岡城を案内していました。全国から訪れるお城好きな人たちとの会話は自分の勉強にもなり、とても楽しいものでした。しかし、立ち上げから2年後、体調悪化のために活動から離れることとなります。けれど懸命なリハビリの甲斐あって、手術後には要介護度5の状態から要介護度2まで驚異的な回復を見せました。

「つい先日まで、数メートル歩くことがやっとでした。来年の春には自分の足で歩き、ボランティアガイドとして復帰したい。それを目標にしてリハビリを頑張っています」

もう起き上がることができないかもしれないという思いが頭をよぎったこともあったそうです。しかし諦めずにリハビリを続け、周囲が驚くほどのスピード回復を見せました。そしていまはガイド活動に復帰することを目標に、リハビリを続けています。大好きな丸岡城の桜が咲くころには、丸岡城を案内する四戸さんに会えるかもしれません。

 

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丸岡城は日本の財産。
町づくりは一歩一歩の積み重ねです。

全国でもお城がある町というのはごく限られています。東京で育った四戸さんにとって、城下町は憧れでした。都会から田舎暮らしを求めて福井に移住し、城下町に憧れていた四戸さんだからこそ見えてくるものがあります。それは、丸岡城がいかに貴重な地域資源であるかということ。これほど素晴らしい財産を活用しない手はありません。

「丸岡城を中心に町を活気づけたいですね。丸岡城の歴史文化を詳しく知っている人は、地元の人でも多くはいません。もっとお城の価値を高めて、市民全員がガイドになれるくらい丸岡城に関する知識を広めたいです。そして多くの観光客を受け入れられる町になってほしいです」

丸岡町に住んで間もないころ、早朝に犬の散歩で丸岡城付近を歩いていると、遠方からわざわざ丸岡城を見に来た人と出会い驚いたと振り返ります。丸岡城は地域だけでなく日本の財産であり、歴史とともに語り継がなければならないと四戸さんは力をこめます。

「丸岡城を語れる人が増える町になってほしい。それが次の町づくりにつながり、何をするべきかが見えてきます。丸岡城下で今年開催したビアガーデン「城見の宴」は、そうした活動の第一歩。一歩ずつ積み重ねていくことが大切で、実際にやってみることで次のアイデアが生まれてきます」

 

丸岡城の価値を再認識することが、
町そのものの活性化につながっていく。

さまざまな活動が実を結び、丸岡城に訪れる人の数は少しずつ増えてきました。しかし大人数を受け入れる体制ができていないというのも町の現状です。たくさんの人たちが存分に楽しめる受け皿を作るには、地元の人が丸岡城の価値を再認識することが必要だと四戸さんは感じています。

「市民の会は丸岡城のファンクラブであり、国宝化は丸岡城の価値を高める一つの方法です。丸岡城の価値を高めることが丸岡町そのものの価値を高めることにつながるということに気づいてほしいです」

お城は人々の交流拠点となり得る場所であり、大都会にはない財産です。交流が生まれることで若者の定住が促進され、それが商店街の活性化へとつながっていく。丸岡城を保存し活用していくことは単に歴史文化遺産を守ることにとどまらず、地域の価値を高めることと密接につながっています。

「城下町を昔の姿に戻すことがベストというわけではなく、人々が集える町にすることが重要で、それを目標に掲げて町づくりを進めることが大切です。市町村合併により町の規模が大きくなり他地域とつながったことで、相乗効果を見出せると思っています」

丸岡城のことを学べば学ぶほど、お城を見る目が変わってきます。丸岡城の価値を高めるためには学び続けることが肝心で、それを普及することが市民の会の一つの役目です。福井に移住して一番良かったことを尋ねると「勉強し続けられること」という言葉が四戸さんから返ってきました。「学び」とは視野を広げることであり、自分の世界を豊かにすることです。

「生きている限りは社会に役立つことをしたいし、刺激的に生きたい。そのためには向学心が大切です。やれることは何でもやろう。人生はこれからだ。そう思ってるんですよ」

難病を患い、生きていることの尊さを痛感した四戸さんだからこそ、見えてくる世界があります。インタビューのなかで「諦めなくてよかった」という言葉を何度も繰り返していた四戸さん。一つずつ目標を立て、一歩ずつ諦めずに努力することが次につながっていく。それは人生と町づくりに共通していることかもしれません。


 

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